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初個展 焦茶さんインタビュー「HELLO HELLO HELLO」~pixiv WAEN GALLARY

執筆者: 岡本 直大   2019/07/02   

小説『ミリオン・クラウン』『重力アルケミック』やゲーム『Fate/Grand Order』のイラストを手がける、新進気鋭のイラストレーター焦茶さんによる初個展「HELLO HELLO HELLO」が2019年6月14日~7月3日にかけて、pixiv WAEN GALLERYで開催されています。今回、株式会社ugoでは壁面に展示するパネル印刷や、タペストリー印刷、イラスト『界面』の展示物の制作でお手伝いをさせていただきました。

在廊中のお忙しい中、焦茶さんに個展のことやお仕事のことについてのお話を伺いました。

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23歳の初個展、最初は不安だった

初めての個展ですが、率直な感想を聞かせてください。

HELLO HELLO HELLO #焦茶さんいろいろな方に来ていただけて大変嬉しいです。

夕方になると学校帰りの女子高生や、外国人の方など、予想外のお客様もいらっしゃいました。

この個展が開催されるまでは、実績を積んできたという実感がなかったので「人が来ないのではないか……」という恐怖もありましたけど、ギャラリーが見える路地を曲がってきたら、人がたくさん見えたのでとても嬉しかったですね。

来場者さんの反応としては「いつも見ています!」と直接声をかけてくれたり、直に話す機会が多かったことは印象に残っています。個展が開催される前は実際に人が足を運んでくれるかどうかとても不安で、ポエムを書く(※ 個展に寄せたメッセージ参照)くらい凹んでいました。個展が開催されてからは、「堂々と展示に臨もう」と思えるようになりました(笑)。お褒めの言葉をたくさんいただけたことは、気持ちに刺さるものがありましたね。

サイン会などのイベント以外で在廊する予定は考えていなかったのですが、在廊期間を増やして「個展を楽しもう!」という気持ちになっています。

pixiv WAEN GALLERY 外観、キービジュアルと「界面」のディスプレイがお出迎え

pixiv WAEN GALLERY外観

※ 個展に寄せたメッセージ

焦茶さんが個展に寄せたメッセージこんにちは。

こんにちは。
こんにちは、焦茶です。

「あせちゃ」ではなく「こげちゃ」です。
なんと個展を開催させていただけることになりました。
いえ本当にええ 僕風情が僭越にもという卑屈な気持ちですが。

こうした場では普通キラキラした商業的かつ前向きなことを書いていくのが
一般的と存じますが僕が次個展を開くのなんていつになるのかわからない、

来年には 来月には消えているかもしれない。

なので「個」を「展(のべる)」という言葉通り本心を書きます。

イラストレーターはじめて3年 本当にさまざまなことを考え錯誤してきました。
伝えたいことはほとんど絵にしてきました。
しかしながら流行り廃りの激しい世界、実力だけでは食べていけない、
人の心を掴み尚且つ流れというものの只中で発揮し続けなければならない。

僕は力があるのか、人の心を掴めるのか、
自分ではまことにわかりません。わからないのです。

ここに、全てではないものの「僕」が「僕として」羅列されております。どうぞ見てください。

はたして良い絵はかけたかな
ぼくはいきていけるかな

暇があればいい
少しでいいので
確かめてみて
ください。
では。

(こんにちは
こんにちは、こんにちは。
おわったあとにすこしでもいい
ああ かいててよかったとおもえることをいのろう。)

 

個展名「HELLO HELLO HELLO」に込めた想いはどういったものですか?

「こんにちは」という言葉のほか、人に話しかける「もしもし」という意味を持たせています。クラシックな電話をモチーフとしたメインビジュアルから、スマートフォンを持っているサブビジュアルにつなげていくといった、時間軸のイメージ、そして僕の作風でもある「線のつながり」を表現しています。多くの方にイラストを通してメッセージが届けば、と考えてます。

メインビジュアル「HELLO HELLO HELLO」

メインビジュアル「HELLO HELLO HELLO」

 

サブビジュアル「HELLΦ HELLΦ HELLΦ」

サブビジュアル「HELLΦ HELLΦ HELLΦ」

 

今回は作品選定やレイアウトなどはすべてご自身で決められたようですね。

展示作品の選定はとても苦労しましたが、壁ごとにテーマを決めました。

一番手前の赤い壁には、これまで描いてきたいろいろなものを敷き詰めています。こちらの壁の4ぶんの1は商業で描かせてもらったものになっています。そして奥の青い壁にはサイズの大きい横長を”どん”と展示しました。

手前の「赤い壁」

手前の「赤い壁」

手前から奥の壁に向けて

手前から奥の壁に向けて

奥の「青い壁」

奥の「青い壁」

手前から歩いてきた人が、「いろいろと描いているぞ」という雰囲気を感じてもらいながら、次の作品を見てもらう導線を意識した配置としました。

また、ガラス面が透けているこのギャラリーを生かして、外から来たときにたくさん作品が展示されている状態を見せたかったので、赤い壁にはぎゅっとたくさんの作品を詰め込みました。

「to sky」#焦茶

「to sky」

奥に構えているタペストリーは一番見ていただきたい作品です。この絵を掲載したころから、仕事が集まり始めたということもあり、始発点と言える思い入れのある絵です。

イラスト『界面』はSNSでもとても人気がありましたよね。

「界面」#焦茶

「界面」立体パネル

パネルにもなっている『界面』は海との境目を髪の毛で区切ることをコンセプトにして描きました。海と髪の毛を分け隔てているところを表現しています。今回の立体パネルの出力物は、色の再現度がすごくよかったです。アナログの筆ブラシのような雰囲気もとてもよく出て、表面のざらざらした感じも伝わってきます。こちらのイラストは5Kモニターでも荒が出ないように1万ピクセル近いサイズで制作しています。そういった部分も出力に反映していただき嬉しいです。

 

お仕事のお取り組みについて

お仕事で大切にしていることや向き合い方を教えてください。

作家、焦茶さんお仕事の場合では、指示いただく内容を描いていくことになります。趣味で描く絵と異なるのは、オーダーの焦点を依頼者に合わせていくところです。自分の琴線が動く瞬間を大切にしながら、集中して描き上げていきます。ラフや下書きは、イメージがある内にできるだけ早く描き上げていくことに力を注いでいます。

描くうえで「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」といった5W1Hを大切にしています。例えば、背景についても周りに何があるのか、絵の外を想像しながら描いています。僕は映画も好きなので、カメラワークをイメージできるような、映画のワンシーンを切り取ったようなものを意識してます。

 

プロフィールでは「日本各地を取材、移動しながら・・」と記載されていましたが、宿泊しながら絵を描くことも多いのでしょうか。

ラフなどは旅行の際に切っています。滞在先のホテルで情景を思い出して完成させることが多いですね。背景も実際の風景で描いています。ロケ地があって、ここにキャラクターを配置して……と。実際の場所で空気を吸って描く、ということを意識しています。

ロケーションの好みなどありますか?

「山」と「海」です。埼玉県生まれということもあり、山も海もないところで育ったので、自然に憧れがありますね。

「朝烏」#焦茶

「朝烏」

たくさんキャラクターを描かれています。キャラクターづくりで大切にしていることはありますか。

服装をできるだけ現実的にしようとしています。僕はハイファッションが好きで、モデルの写真やファッションショーの動画をイラストの参考にしています。フィクションの服装よりも、実際に着られる服や着て動ける服のほうが実在性があります。服は現実的にしたうえで、背景やアセットでファンタジー要素を盛り込んでいます。

タバコをモチーフに描かれることが多いですよね。

僕自身は吸わないのですが、タバコを嗜んでいる女性が好きですね。画になります。

「青」#焦茶

「青」

イラストを描くきっかけを教えてください

芸大に行ったこともあり、美術の勉強に興味がありました。。ネットにイラストを公開したのは液タブを購入したことがきっかけです。最初はアニメ『アイカツ!』の二次創作を描いて、見てもらえることを意識していました。フォロワーが増えてきてからオリジナルを描き始めました。

商業のお仕事をいただくようになってからは、背景に力を入れ始めています。星海社FICTIONS『重力アルケミック』の表紙を描いた時に、「このスタイルでやっていこう!」と思いました。

液タブを使用しイラストを描いていく焦茶さん

液タブを使用しイラストを描いていく焦茶さん

最初の本が出版されたときは、どのような気持ちになりましたか?

やっぱり嬉しかったですね。本屋にあるかないかを確かめに行ったり、amazonの売れ行きをチェックしたり……。徐々に自分の携わった本が並ぶことが嬉しかったです。

今後の展望などお聞かせください。

音楽や詩など多文化と交わっていきたいなと考えています。例えば、絵と詩であれば絵本のようなイメージになるでしょうし、絵と音楽であればMV(ミュージックビデオ)やジャケットになると思います。いろいろな方と交流していきたいですね。僕の作品に興味を持ってくれるアーティストさんがいれば一緒にお仕事をしたいですし、交流したいです。メディアミックスの流れやお祭りに参加したいですね。

個人的には、服飾に興味があるのでアパレルはいつかやってみたいですね。服をイチからデザインしたり、グラフィックを凝ってみたり。

今回個展を開催できました。移り変わりの激しい業界で、流行り廃りはありますが「なるべく記憶に残ってほしい」というメッセージを込めました。イラストの1枚1枚が記憶に残るように、これからも『HELLO HELLO HELLO/もしもし』と何度も呼びかけたいです。

インタビューありがとうございました。今後も様々な分野で焦茶さんのイラストやキャラクターを拝見できることを楽しみにしております!

取材日:2019年6月22日
インタビュー・構成:岡本 直大(株式会社ugo/www.suprint.jp

 

プロフィール/焦茶(COGECHA)

1995年生まれ。持ち運び可能な液タブを使い、日本各地を取材、移動しながら絵を描くスタイルを持つ。2016年よりイラストの仕事を受注しながら、自主制作作品も積極的に発信。 これまでの仕事にバーチャルタレント樋口楓のイベントビジュアル、『Fate/Grand Order 電撃コミックアンソロジー11』表紙イラスト、小説装画として『火曜新聞クラブ―泉杜毬見台の探偵―』、『重力アルケミック』など。

pixiv / https://www.pixiv.net/member.php?id=12845810
web / https://cogecha.tumblr.com/
twitter / https://twitter.com/BARD713

 

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