印刷物・販促物の管理・統制について

多店舗を展開していたり全国に支店がある企業の管理本部や販促部門では、店舗、支店が作成する印刷物、販促物の管理にお悩みを抱えていることが多いと思います。

例えば、店舗側が主導で作成する場合、内容に問題がないか、ブランドとしてのイメージを損ねていないかなど、本部側で必ずチェックのうえで進行するケースが多いです。店舗が増えればその分その作業も増え、本部の負荷は膨大になります。

とはいえ、店舗の責任ですべて任せるというのもできないのも事実です。このような印刷物・販促物にかかわる「管理・統制」面で課題をかかえている方も多いのではないでしょうか?

そもそも印刷物・販促物の管理・統制とは?

 全社的に使用する印刷物、各支店や店舗ごとで使用する販促物などの利用用途は様々で、こういった印刷物・販促物のデザインやコストなどを管理・統制するのは煩雑になりがちです。お客様からよく聞くお悩みを分類すると以下になります。

  1. 印刷物のコストを見える化したい
  2. 外注先を集約したい
  3. デザインを統制、チェックしたい
  4. 販促物の在庫管理業務を軽減したい
  5. 承認処理を円滑化したい
  6. 経理業務を効率化したい
  7. 情報漏洩のリスクを軽減させたい

 本記事では、「働き方改革」が叫ばれる中、残業時間の削減や労働時間の短縮など、各企業が抱える問題を取り上げながら、これらのお悩みを解決するヒントをご紹介します。

1.印刷物のコストを見える化したい

   印刷物の発注には、大きく分けると2パターンあります。

 A)本社・本部側が主導になり一括で発注し、各支店・店舗へ支給する
 B)各支店・店舗側で印刷物・販促物を発注する

 後者の場合、各支店・店舗がどれくらいの発注をしているか、何を作っているかなどを、本社・本部側で確認することは、最終的な集計を見ることにより可能かもしれません。しかし、リアルタイムで把握することは難しいのではないでしょうか。

1-1.本社・本部による予算管理

 B)の場合、購買部や経理部の担当者がExcelや自社専用ツールなどで管理しているものの、それでも複雑になり手間だという話を聞くことがあります。

 そのような課題に対しては、専用システムを導入することでより手間のかからない管理が可能となります。                    

1-2.店舗・部門へのコスト共有と意識の醸成

 本社・本部側から印刷物・販促物を支給される場合、各支店・店舗側では印刷にかかったコストが見えないため、コスト意識が低くなる傾向があります。月次PLや外注先別発注費用一覧などの財務資料は部門長のみに共有されることで発注者にまで伝わっていなかったり、部門への単純按分でリアリティのないコストであることもあります。

 そのような状況を解消することができる購買状況を管理するシステムなどのツールもあります。購買管理システムでは、専用の注文画面から発注でき、本部側で発注内容を確認することができます。事前に取引先を選び印刷物、備品などの商品を価格と共に登録できるので、発注金額が明確となり本部側での管理や確認作業も軽減されます。

 他方の各支店・店舗側では、発注する商品と価格を確認できるので、自店舗の利益を減らすコストを認識するようになります。それにより、安易な発注が減り、コスト意識の醸成に寄与できます。さらに、請求負担部門などを商品情報に登録することができ、請求振分け業務の大幅な効率化にも繋がります。

1-3.内外製の適正化

 外注している印刷物・販促物は、月次で経理部門などへ各取引先から請求書が届き、どれくらいコストがかかっているか把握できます。しかし、社内で内製している制作物についてはどうでしょうか?

 例えば社内資料を複合機で大量出力したり、一括で印刷したチラシなどを社内で保管し、各支店・店舗から依頼された都度、梱包・発送するなど、担当者がマンパワーで対応している案件です。これらは、外注費としてではなく人件費や消耗品となるので、実際の費用が見えにくいのではないでしょうか。

 少部数であれば内製し、何部以上であれば外注対応など、ご相談いただければ弊社では費用対効果を比較検討し内製・外注の最適な提案も可能です。

2.外注先を集約したい

 印刷物・販促物を手配する各担当者ごとに複数の発注先があり、どの案件がどの取引先か分からない、毎月大量の請求書が届き処理が大変で困っているということはありませんか?

2-1.外注先集約によるコスト削減

 発注担当者はそれぞれよく利用する既存外注先を持っています。いつも柔軟に対応してくれる、長い付き合いだから何でも分かってくれていてラクだ、という関係があるとなかなか価格の見直しなどするのは難しいでしょう。このような場合、現状の発注金額が適正かどうかも分かりにくいと思われます。

 一度外注している案件を精査し複数の同業者へ相見積の実施をするのをお勧めいたします。これにより、コスト削減に繋がることもあります。また、1案件ごと違う外注先に依頼をしていたものを1社に集約することで、全体的にコストダウンできることもあります。複数社に相見積を依頼するのは手間だという方には、下記のような相見積を簡単にできるサービスもあります。

2-2.発注履歴、コストの見える化を円滑に

 複数社に外注することで、請求処理の負荷がかかっていたり、発注コストや発注履歴の管理が煩雑になっていたりしてはいないでしょうか?こうした負荷や煩雑さは、履歴、コストの見える化を社内共有できるよう仕組み化することで、緩和されるケースもあります。前述の購買管理システムを導入することで、各支店・店舗の発注者にコスト意識を醸成させることができ、安易な発注を抑えさせることでコストダウンが見込めます。さらに、発注履歴・購買実績が見える化され、簡単に本部側でも確認することができるようになります。

3.デザインを統制、チェックしたい

 デザインデータの確認は自社のCI(コーポレートアイデンティティ)や法令順守に則った内容で印刷物・販促物が制作されているかなど、難易度が高い作業です。これが各支店・店舗の制作担当者が作成しているデザインのチェックまで必要となると、本社・本部側では確認しきれないこともあるのではないでしょうか。

3-1.CI、レギュレーションを守る

 ある会社では制作物のチェック・統制を、本部・担当者間でのメールのやり取りで簡易的に行っていたり、また別の企業では自社サーバーに制作物のデータを集約しチェックできる環境を整えたりと対策はされているようです。ですが、どれも手間がかかったり煩雑になりがちです。

 このチェックをシステム化することで、Web上で印刷データのデザインのチェックができるようになります。さらに、そのデザインがCIやレギュレーションに則ってない内容の場合、発注を取りやめさせることも可能です。

3-2.キャッチコピー、テキスト情報の法令順守

 デザインデータのチェックには時として、作成者の上長だけではなく、法務・クリエイティブなどを統括する責任者の確認など複数の承認がないと進行できないケースもあります。作成の都度このような手間がかかってしまうと、施策実施のスピードも遅くなってしまいます。

 このような課題に対応する解決方法の一つとして、”デザイン編集機能”があります。これは、ブラウザ上でデザインデータをカンタンに編集し作成できる機能です。テンプレートデータを用意し、編集できる箇所を限定することで、CIやレギュレーションに遵守した制作物が作れます。それにより、都度の原稿チェックの手間がなくなり、よりスピーディーに制作物を作れるようになり、作業負荷の軽減・業務効率の改善にも繋がります。

3-3.有名人や芸能人など、権利・使用期限のある画像利用

 契約の関係で、使用できる期間が限定される画像やデータはないでしょうか?担当者が自己管理していたり、自社サーバーで保管し定期的に確認・更新していたりと、マンパワーでの対応をされていることも多いことでしょう。データに紐づく許諾情報を管理することができるツールを利用されている企業もあるかもしれません。

4.販促物の在庫管理業務を軽減したい

販促物の、在庫管理でお困りの方も多いのではないでしょうか。

在庫状況の把握や、過剰在庫によるコスト増・欠品による手配遅れ、多拠点からの依頼に対する業務負荷など、多くの課題が挙げられます。

そもそも、なぜこのような事が起こるのでしょうか?合わせて、改善案や対策をご紹介します。

4-1.在庫状況の把握

<要因>
管理方法が煩雑で在庫数が不明瞭になっていることがあります。在庫管理業務が属人化しており在庫状況を共有する仕組み自体が無く、正しく管理できていないことがあります。

<改善案>
Googleスプレッドシートの活用をおすすめします。Googleアカウントさえあれば使用できるクラウド型のアプリケーションの1つです。見ため、機能ともほぼExcelと同じような作りですが、Web上で閲覧、共有ができるので、オンタイムでカンタンに在庫状況も見える化されます。

Googleスプレッドシート

4-2.過剰在庫によるコスト増・欠品による納期遅れ

<要因>
過剰在庫を抱えているケース、逆に欠品による増刷でコスト増、さらには納期遅れが発生してしまうケースもよくお聞きします。初回生産時の発注分を消費する前にデザインが改版となり、改版前のものをいつまでも在庫してしまったり、想定よりも消費が早く欠品してしまい希望納期に間に合わなくなることなどが考えられます。

<改善案>
生産の前に更新の可能性や数量が適正かを改めて検討いただくのが重要です。その際に、在庫すべきものと都度生産できるものの分岐点を見極め、フロー全体を見直すことで無駄なコストや納期遅れなどの改善が見込まれます。

4-3.多拠点からの依頼に対する業務負荷

<要因>
各拠点からの発送依頼に対し対応する担当者が属人化して負荷がかかるケースがあります。それにより、本来注力しなければならないコア業務がおろそかになってしまうケースもあります。

<改善案>
在庫管理ができるクラウド型システムを導入することで解決できます。各拠点からWeb上でカンタンに発注ができるので、在庫状況を都度確認したり、窓口担当者へ依頼する必要がなくなり、余計なコミュニケーションの削減にも繋がります。

このように現状のフローを見直すことで、課題が明確になります。最適な改善策を検討することで、在庫管理の無駄を軽減できるのではないでしょうか。

5.承認処理を円滑化したい

5-1.稟議(お金の決裁)、デザインの確認

 社内の決裁や承認フローが複雑で、ちょっとした印刷物や販促物を発注するだけでも時間と手間がかかると困っているお客様もいます。そこで、最近では下記のようなツールを活用する企業も多くなってきております。

5-2.最低限のシステム導入

 「業務効率化するために新たにシステムを導入したい!しかし、すでに既存のものがあるからこれ以上増やしたくない。」そんな悩みを抱えている企業もあるのではないでしょうか?まずは、解決したい課題にフォーカスして、既存のシステムと導入したいシステムの役割を明確にし、共存できるか判断することから検討をしてみると良いと思います。共存する場合、使い勝手の面で分かりにくくならないような解決策を検討することが大事です。例えば、既存のシステムに新たに導入するシステムのリンクを貼れないか、システム的な連携(シングルサインオンなど)ができないかなど、が挙げられます。 

6.経理業務を効率化したい

経理業務で部門への費用配賦

 本社、本部側で一括手配した印刷物・販促物の費用を各店舗・支店ごとへ費用按分する作業はかなり手間になります。経理担当者が手作業で仕分けしたり、不明点は発注部署の担当者へ確認したりと、かなりの時間と手間がかかると思います。

 購買管理システムには”発注履歴管理機能”があります。この機能では、発注履歴のCSVデータがダウンロードでき、各発注アカウントごとの集計も可能です。また、製品別の任意の品名入力欄を活用し、請求負担部署を記録するなどで按分の細分化も可能となり、請求処理での按分作業の時間と手間が軽減されるので、業務の効率化にもつながります。  

7.情報漏洩のリスクを軽減したい

印刷会社・外注先に潜む漏洩の危険

 掲載時期が厳格に決まっている情報や公表時期が定められている画像などを使用する印刷物・販促物を依頼する場合、情報漏洩のリスクや管理体制に不安を感じることもありせんか?そのような場合、委託先との秘密保持契約(NDA)や業務委託契約書の締結を執り行い、リスクに対する責任の分担を文書で明確にしておきます。

 またDM発送など個人情報を扱う案件などはPマーク(プライバシーマーク制度)を取得しているかなどが委託先を選ぶ基準となっているのが一般的です。

おわりに

 皆さまが日々の業務の中で課題に感じていることに向き合うことで、最適な解決先が見つかるはずです。購買管理のシステムを導入することで、発注履歴が見える化され管理がラクになったり、デザインのチェック業務が軽減されることにより業務が効率化され、さらにコア業務に注力できるようになることでしょう。

総合印刷サイト「Suprint / スプリント」

Superior + print =「Suprint」
スプリントは上質な印刷物を、お手頃な価格で提供する総合印刷サイトです。
Web上でかんたんに印刷物を注文していただくことが可能です。


Suprint / スプリントの商品を見る

SNSでもご購読できます。