印刷発注先選定のポイント

普段から印刷物を発注することの多い販促部門の担当者にとって、発注先の選定は重要です。コロナ禍において、コストの見直しを検討し発注先の変更を考えている企業も多いのではないでしょうか。今回は印刷発注先の選定におけるポイントをお伝えします。

印刷物を発注する際に重視する項目は主に価格・納期・品質・対応の4つではないでしょうか。次章からそれぞれの項目別に詳しく見ていきましょう。

価格

発注先を選定するうえで価格を第一に重視する企業は多いと思います。そこで、まずは印刷方式による価格の違いについてお伝えします。

一般商業印刷において、主に使用される印刷方式は3つです。

印刷方式による適正部数

オフセット印刷

刷版と呼ばれる版を利用し印刷する方法です。主に大量印刷に向いた印刷方式で数量が多いほど単価が下がります。数量が500部を越えると、この印刷方式で安くなることが多いです。

オンデマンド印刷

インキではなく、トナーを利用した印刷方式で複合機などで使われています。主に少量印刷に向いた印刷方式です。目安として500部以内の印刷がオフセット印刷と比較し安くなります。 多くのオンデマンド印刷機がA3のノビサイズまでの対応となるので、A3以内で少量の印刷物であればこの方法でコストが安くなります。

大判出力

ポスターなどのサイズの大きな印刷物を少数印刷する場合に適した印刷方法です。数量の目安としては1部から10部ほどが適正となります。この場合最も費用が安くなります。

ネット印刷と営業対応

ネット印刷が普及している現在、コスト面のメリットから利用する機会も多いのではないでしょうか。確かに小ロットの印刷物、定型サイズの印刷物はネット印刷が圧倒的に安いです。では、ネット印刷より営業対応の方が安くなるケースはあるのでしょうか。

営業対応でコストが安くなるケースは、大部数の印刷と複数種印刷の同時進行の場合です。大部数の印刷に関しては、10万部を越える印刷は営業対応のほうが安くなる傾向があります。このような場合は、一度見積りを依頼してみるのもいいでしょう。

納期

納期については、ネット印刷では最短当日納品から長いもので10日納期など複数用意されていることが多いです。したがって、必要な日程に合わせて納期を選択して発注することが可能です。

しかし、特殊紙を使った印刷や加工を施す印刷物はネット印刷を利用できないことも多いです。このような場合は営業対応になります。では、納期面で対応力のある印刷会社はどのように選べばいいのでしょうか。ポイントは二つあります。

一つは工場の稼働時間です。印刷会社の工場の稼働時間、休業日は会社によって異なりますが、24時間稼働、土日祝日も稼働している工場もあります。そのような体制の工場を選べば自ずと納期を短縮できます。

もう一つは、同じ工場内でどれだけの設備を持っているかです。実は印刷会社は印刷のみしか対応していない工場も多く、その場合、折り加工や製本といった後加工は協力会社に委託しています。すると当然印刷後、加工の工程までに時間的なロスが生じ、納期も遅くなってしまいます。

印刷機のみならず、加工設備が存在するかを確認することで納期の短縮につながります。

品質

印刷品質については、まず印刷機の種類による品質の違いがあります。一般的にオフセット印刷の方がオンデマンド印刷より品質が高いですが、最近はオンデマンド機もスペックが上がっており、差がなくなってきています。

このような機械による印刷品質の違いもありますが、印刷会社の取り組みによっても印刷品質に差が出ます。具体的な取り組みについてお伝えします。

印刷物の品質を決定づける要素として、色の品質があります。わかりやすく言うと、印刷物が現物や色見本と近い色になっているかどうかが色の品質をはかる目安です。見本に色が合っている方が品質が高いと言えます。ネット印刷で色合わせに対応しているところは、ほぼありません。一部自社で印刷した色校正に色を合わせて印刷することはできるようです。

そこで、厳密に色を合わせたい印刷物は印刷会社の営業に依頼するのがおすすめです。営業に印刷依頼があった場合、色合わせの方法は主に二通りです。一つは、印刷工程での印刷機による色調整です。大きな調整はできませんが、微調整で色が合わせられる範囲の場合この方法を取ります。

もう一つはデータの色補正を行う方法です。色見本とデータに大きな色の違いがある場合は、データ自体の色を補正して印刷する方法をとります。この方法で色見本に印刷の色を合わせます。

また、厳密に色の指示がない場合は、色の基準値に基づいて印刷されているかどうかが重要になります。同じ印刷物を複数回増刷する度に色が違う物が納品される場合、この基準がきちんと定められていない可能性が高いです。

これに対し、「Japan Color認証制度」というものがあります。これは、印刷技術の標準化を推進し、品質の安定を目指すために作られた認証制度です。この認証を受けた工場は一定品質での印刷が可能な工場であるため、品質面における一つの基準として選ぶのがいいでしょう。

対応

最後に対応面についてです。まず、ネット印刷の対応についてです。ネット印刷はWEBの受注に特化しているため、イレギュラーへの対応ができないサイトが多いです。そのため、発注者にとっては不都合を感じる場合も多いかと思います。

ネット印刷の対応面で確認したい点は二点あります。一つはサイトに掲載のないイレギュラーな商品に対して、見積発行や受注ができる体制があるかどうかです。時に発生するイレギュラー商品への対応力は見極める必要があります。もう一つは電話対応です。

緊急事態にカスタマーセンターに連絡したい場合、電話がつながりにくいサイトもあります。急いでいるのに連絡が取れないのは非常に不都合です。いざという時の対応については、しっかりと吟味したほうがいいでしょう。

次に営業の対応力についてです。営業パーソンを選ぶ基準にも近いですが、一番はレスポンスでしょう。印刷物の発注は急ぎのケースも多く、そのような場合、連絡が取りやすく、見積対応や手配対応などのレスポンスがいいことがとても重要です。

営業はまずレスポンスで選ぶのが大切です。加えて企業の体制です。いくら営業の対応が良くても、外出が多い担当は連絡が取れづらいのも事実です。そのような時に、営業事務など営業をフォローする仕組みがあるかどうかが重要になります。営業を支える仕組みがあれば、不在の場合や、休みの場合にも確認が取れるので安心です。

ネット印刷のイレギュラーに対する対応と営業の迅速な対応力、是非この2点を意識して確認してみることをおすすめします。

印刷発注担当者にとって、よく利用する印刷会社の選定は、コスト面もさることながら、効率化にとっても非常に重要です。定期的に見直しをしてみてはいかがでしょうか。

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