デザインデータ管理の仕組みづくり

デザインデータの管理や運用に携わる方から「欲しいデータがすぐに見つけられない」「古いデータを使って印刷してまうなどの人為的なミスが起こるため、なんとかしたい」といった、お悩みごとを伺うことがあります。

このような課題の原因の1つに、従業員それぞれが実務に合わせて独自の運用ルールをつくっていることが考えられます。具体的には、各個人でデータを保存する場所が異なっていたり、ファイル名のつけ方がバラバラだったりするだけで、特定のデータを探し出すことが難しくなります。また、やっと見つけ出したデータが直近につくられた最新版ではなく実は旧版で、そのことに気付かずにチラシとして印刷してしまい不必要なコストがかかってしまうこともあります。

このような管理状態や、人為的なミスによる時間やコストのムダが発生する環境を改善するには、一元管理された環境をつくること、運用ルールを統一すること、その環境を実現させるための仕組みをつくることが有効になります。

弊社が開発する「スプリント for Biz」は、データ管理の悩みを解決をするために必要な機能を備えています。課題解決のためにおさえるべきポイントと「スプリント for Biz」の具体的な運用事例を紹介します。

欲しいデータをすぐに見つける

データをすぐに探し出すために、重要なポイントを2つご説明します。

1)一元管理する

1つめのポイントは、デザインデータを一元管理できる環境をつくることです。

すべてのデータがひとつの場所にまとまっていれば、誰でも迷うことなく保存先にたどり着くことができます。

昨今ではデータを保存する場所として、社内の共有サーバーの他に「Googleドライブ」や「Dropbox」「Box」などのオンラインストレージサービスが使われています。オンラインストレージサービスはデータをセキュアに保管するだけでなく、複数のユーザー間で共有や同期ができる、一元管理に適した便利なサービスです。

一部無料で使えるサービスもあり、気軽に試すことができます。

スプリント for Biz」は、データ一元管理に最適なオンラインストレージ機能を搭載しています。

保存したデータはサムネイル表示されるため視認性が高く、誰でも分かりやすい管理を行うことができます。視認性が高まると特定のデータを探しやすくなり、業務時間の短縮につながります。また、手間なく安全にデータを受け渡しを行えます。公開する範囲を設定して特定のアカウントだけに共有したり、ファイルにアクセス制限をかけることも可能です。

社内のデータ共有だけでなく、外部の組織にデータを送信することもできます。例えば取引先のデザイン会社から、ブランドのロゴデータの支給を依頼された際に、システム上でセキュアにデータを共有できます。

このようにデザインデータがひとつの場所にまとまり一元管理されていると、業務の生産性向上を図れます。

2)検索性を高める

2つめのポイントは、データの検索性を高めることです。

過去に保存したデータがすぐに見つけられなかったことはありませんか。

データはパソコンのフォルダの中に保存されることが一般的です。「フォルダA」の中に「フォルダB」があって、その中の「フォルダC」のそのまた中…と、やっと探していたデータに辿り着く。このように何階層も奥深くに入り込んだ場所に保存していると、探す時間ばかりが取られすぐにデータを見つけることができません。

こんな時に「瞬時にデータを特定できる機能」が備わっていれば、作業時間を短縮することができます。

スプリント for Biz」は「タグ付け」機能を搭載しています。タグ付けは検索性を高める機能の1つで、データに任意の情報を付与できます。

タグ(上部イメージ赤枠)はデータを分類するための札のようなもので、日付や商品名、キャンペーン名など、任意の固有名詞を付けられます。

例えば組織によって異なるキャンペーン名などを付ければ、はじめて操作する方でも間違えにくく、直感的に選択できます。

また1つのデータには複数のタグを付与することができるため、付け方次第で様々な組み合わせの表示ができます。あらかじめチームでタグ付けのルールを決めておくと、特定のタグが付いた任意のグループだけを表示する、といったスクリーニングを行えます。

このように検索性の高い管理ができれば、直感力を活かした操作ができるようになり、作業時間を短縮できます。

人為的ミスが起きる原因

「先祖返り」という言葉をご存知でしょうか。印刷業界では、古いデータを新しいデータと取り違えたことに気付かずそのまま作業をすすめてしまうことを「先祖返り」と呼びます。

特によく似たデザインデータを頻繁に取り扱う場合、データ内の一部の情報だけが異なっていることに気付きにくいため、ミスが起きてしまうことがあります。このような人為的なミスが起きる原因と対策についてご紹介します。

先祖返りに要注意

先祖返りは、データのタイトルで最新版であるかどうかが分かりにくいことが原因で起きるケースがあります。例えばタイトルに制作日や、バージョン管理用の番号を付けるルールはあっても、人によって先頭か語尾か、数字かアルファベットかで、それぞれ異なることがあります。このように様々なルールやデータが入り混じった状態では、第三者が一目見て最新データと判別することは難しく、先祖返りが起こりやすくなります。

複数のデータを取り扱い、多くの担当者が携わる環境では、データを管理するためのツールを導入し、運用ルールを統一することで先祖返りを防ぐことができます。

スプリント for Biz」は、あらかじめ登録したデータを画面表示させることができます。画面に最新版だけを表示、選択できる状態であれば、先祖返りを防ぐことができます。

一般的なネット印刷で注文するには、毎回商品の仕様を選び、印刷用のデータを入稿する必要があります。このデータ入稿の際に先祖返りのリスクがあります。

スプリント for Biz」では、あらかじめ注文できる商品の仕様を登録し、印刷データと紐付けることができます。先祖返りのリスクをなくし、データ入稿の手間を省けます。またデータを探す時間や、データの正誤を確認するために必要な制作者へ問い合わせなどのコミュニケーションを減らし、業務効率を上げることができます。

多店舗業態で起きやすいミス

小売・サービス業などの多店舗を運営する業態では、デザインのベースとなる背景や絵柄が同じものを流用した販促物(チラシ・ポスター・ダイレクトメールなど)を制作することがあります。その際、本部が店舗の要望にあわせて販促物の一部の文字情報を打ち換えたり、画像を差し替えたりするときに、組み合わせを間違えてしまうことがあります。

このような人為的なミスは「間違えないように、普段よりも気を付けよう!」などといった精神論での改善は難しいため、現状の仕組みから見直すことをおすすめします。

スプリント for Biz」には、追加機能として自動組版があります。

自動組版とはレイアウト(デザイン)の指定に従って、文字や写真などを配置する作業の総称で、指定された一部の文字や画像を編集することができます。この機能を使うと「ベースデザインを作成する作業」と「デザインの修正から発注するまでの作業」を分けることができます。

具体的にはデザイナーがチラシのベースデザインを作成して、修正できる箇所と修正できない箇所をあらかじめ設定し、発注者はチラシを作りたいタイミングでオンライン上でデータを編集して発注する、といった作業分担ができるようになります。

作業分担ができれば、企業のブランド・デザイン品質を保ちながら、デザイナーの修正・発注作業にかかる手間を発注者に移譲することができます。発注者は発注する作業こそ増えますが、コミュニケーションコストを掛けることなく、複雑な専用ソフトを使わずに希望通りの販促物をつくることができます。

一部の方から「デザイナーが忙しい時は、店舗の欲しいタイミングでチラシを届けられないことがある」と伺うことがありますが、組版機能を使えばそんな悩みも解消できるかもしれません。

また「スプリント for Biz」は承認機能を標準搭載しています。

商品ごとに特定の承認者が確認してから次工程に進むように設定すると、発注者の誤発注や、過剰な発注を防ぐことができます。また工夫次第では、組織の複雑な稟議や決済経路の代替ツールとして利用することも可能です。

デザインデータ管理のこうしたツールや仕組みを使い人為的ミスをなくし、生産性を向上させましょう。

まとめ

デザインデータ管理において生じる課題を解決するためには、一元管理された環境をつくること、運用ルールを統一すること、その環境を実現させるための仕組みをつくることが有効になります。

短期目線では属人化している業務内容を変更することに障害や反対意見が出ることもありますが、長期目線で考えると管理者の悩みごとの解決だけではなく、発注者やデザイナーそれぞれの生産性を高めることができるはずです。デザインデータ管理の仕組みをつくるために、組織に最適なツールの導入を検討することをおすすめします。

スプリント for Biz」は、お客様に合わせたカスタマイズも承っております。

組織の業務効率の改善や新しい働き方のヒントをお探しでしたら、まずは一度お問い合わせください。

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